寸鉄、人を刺す

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こんにちは、コーヒー豆や🫘「上ナシ」のフーテンMです。

真田広之さんがプロデューサーと主演を兼ねた『SHOGUN 将軍』が、2024年9月の第76回エミー賞で史上最多の18冠を達成、第82回ゴールデングローブ賞で、ノミネート4部門のすべてで受賞を果たしたとのこと。

どういう賞なのか、門外漢でボクにはそのすごさがイマイチわかっていませんが、とにかく快挙を成し遂げたんですな。おめでとう!

「日本人」で「時代劇」がキーワードみたいですから、いつか見るチャンスがあるかもしれませんが、今のところドラマ『SHOGUN 将軍』を視聴できるのは「ディズニープラスのみ」のようですから、すぐに見るというわけには・・・

その代わりと云っちゃ、ちょっとあれですが、去年、BS朝日で朝だったか、昼だったか、月曜から金曜まで毎日、萬屋錦之介主演の『破れ奉行』という時代劇の再放送をやってました。

萬屋錦之介主演『破れ奉行』 1977年にテレビ朝日系列で放送

たまたま番組表見てて知ったんですが、萬屋錦之介はちょび贔屓にしていることもあって、途中からでしたが15話分くらい録画していたんですがようやく録画してたのは全部見ました。

これ写真見ても、萬屋さん、色気あるでしょ? 年取ったからそう思うのか、錦之助がすごいのか、ちょっとよくわからないけれど。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、萬屋錦之介主演の『破れ奉行』は1977年4月から12月まで、毎週火曜午後9時からテレビ朝日系列で放送された全39話のテレビ時代劇とのことですから、ボクは当時10歳の小学4年生。

ウチでは、テレビ📺は夜9時までという決まりがあったので、もちろんこの時代劇を知らないし、今回初めて見ました。

まあ、ぶっ飛んだ奉行の話でしてね、遠山の金さんみたく、同心を使うものの、自ら捜査、証拠集め、自白、そして裁判までなにせ奉行一人でやっちゃう、三権分立も真っ青な超絶絶大権力奉行で、最後は「てめぇーら、斬る」って全員死刑判決下して、かつ自らの手で成敗するお話。

気になる方は、ご丁寧に『破れ奉行』の第一話がyoutubeにアップされているので、コナコーヒーを飲みながら見てください。大谷直子さんも美しいよʘʘ

それはさておき、この『破れ奉行』の最終回「さらば! 破れ奉行」で萬屋錦之助がしびれるセリフ回しでうならせてくれた。ちょっと再現してみましょう。

会話は、萬屋演じる「破れ奉行」と再開発のためにあの手この手で住民をたたき出す財閥の番頭で極悪の地上げ屋演じる高倉健の大学の先輩、我らが山本麟一だった。

場面は茶屋で奉行が地上げ屋にだんごを奢りつつ「手を引いたらどうだい?」って感じで軽くたしなめるところだ。

破れ奉行「どうだい!? 大阪じゃ、こんなうめぇ団子はねぇだろ?」

地上げ屋「ちょっと味が濃すぎまんな。うちのほうでは、もうちょっと薄味でいいようにできてまんのや」

破れ奉行「人間ってぇ奴は、てぇめぇの本性と反対のものを欲しがるもんさ。下品であざとい野郎ほど、そんなこと言いやがる」



「貧乏人を怒らすと厄介だよ。すぐやけになる。金持ちが弱い者いじめをしているのを見ると、カッーとなるんだ。何するかわからん。せいぜい気をつけるこったな」

寸鉄、人を刺すですわ

だれだよ、こんなしびれるセリフを錦之助に言わせてるのわ!って思いました。この場面は何回も再生しましたね。

Repeat after me「人間ってぇ奴は、てぇめぇの本性と反対のものを欲しがるもんさ。下品であざとい野郎ほど、そんなこと言いやがる」

もしかしたら、そう思うのはボクだけかもしれないけれど・・・

最終回もyoutubeにあるみたい。色気の錦之助と極悪の我らが麟一と当該セリフ場面をコナコーヒーを飲みながら目撃せよʘʘ

で、この場面をメモ帳に書き留めて、三権分立も真っ青な超絶絶大権力奉行が「てめぇーら、斬る」って全員に死刑判決下して、即成敗して「あ~これ最終回か!? 第1話から見たかったなあ」とすっかりお馴染みになって時々鼻歌で歌うテーマソングを聞きながら、エンドロールを見てたら、これが出た!

ギャァーーーーーー‼️

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フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

隆 慶一郎(りゅう けいいちろう、1923年〈大正12年〉9月30日 – 1989年〈平成元年〉11月4日)は、日本の脚本家、小説家(時代小説作家)。本名は池田 一朗(いけだ いちろう)。本名で脚本、隆慶一郎のペンネームで小説を執筆していた。

・・・脚本家時代は映画、テレビドラマ問わず幅広い作品を手がけ、戦後日本のテレビドラマ史においても1970年代までを代表する脚本家の一人だった。脚本家としての代表作は映画『にあんちゃん』、テレビドラマ『鬼平犯科帳』。他にも『長崎犯科帳』・『破れ奉行』・『隠密奉行』・『大忠臣蔵』など多数あり、携わった作品の多くが、現在でもローカル局・時代劇専門チャンネルなどで繰り返し再放送されている。

そうだった・・・

我らが隆慶一郎は小説家デビュー前は脚本家だった・・・

それも本名でやってたんだ・・・・迂闊だったわ・・・

「人間ってぇ奴は、てぇめぇの本性と反対のものを欲しがるもんさ。下品であざとい野郎ほど、そんなこと言いやがる」

人間観察もここに極まれり、ですな。

新人物往来社の【隆慶一郎読本】に隆慶一郎インタビューがあって、そこにこんな発言が載ってる。

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新人物往来社【隆慶一郎読本】より
隆慶一郎インタビュー

脚本を書くときになにが大切かというと、まずしっかりした構成であり、鮮やかな筋はこびであるといわれるが、私は台詞につきるとおもう。それも美しい言葉が交わされることだ、たとえ人と人との関係で口汚く、ののしり合うにしても正しい日本語の使い方を心がけている。言葉が文化の最大の表現だと思う。小説を書く現在もその心がけは忘れていない。

新潮社『隆慶一郎全集5』より 隆慶一郎さんが呪文のように唱えた中原中也の詩句

「寒い夜の自我像」中原中也

きらびやかでもないけれど
この一本の手綱をはなさず
この陰暗の地域を過ぎる!
その志明らかなれば
冬の夜を我は嘆かず
人々の憔懆のみの愁しみや
憧れに引廻される女等の鼻唄を
わが瑣細なる罰と感じ
そが、わが皮膚を刺すにまかす。

蹌踉めくままに静もりを保ち、
聊かは儀文めいた心地をもって
われはわが怠惰を諫める
寒月の下を往きながら。

陽気で、坦々として、
而も己を売らないことをと、
わが魂の願うことであった!

我らが隆慶一郎は、死して死なず、死して朽ちず

人生は続く…
迷わず行けよ!行けばわかるさ!
タァー!

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